「大丈夫よ‼︎しっかりして!」
すぐに駆け寄り、肩を抱くが亜季は発狂したように叫び続ける。
分からないでもない。
この中の希望は、天井の仄かな電球のみ。
あとは【無】だ。
なにもない。
どれだけ叫んでも叩いても、誰の耳にも届かない。
ドアの前を誰かが通る気配もなければ、鳥の囀りも聞こえない。
本当になにもないんだ。
もちろん、水もなければ食べ物もない。
排泄は垂れ流しだが、排泄するものすら、もうなくなっていた。
こんなところに1人、放り込まれては気が狂わないほうが不思議だ。
この世にたった1人しか居ないのではないかという錯覚は、絶望に近いものがあった。
「亜季さん、しっかり‼︎」
「いや、いやぁあああ‼︎」
「亜季さん⁉︎」
どうやら、気を失ったようだ。
きっと、想像を絶するひどい目に遭ったのだろう。
確か真帆から100kgだと聞いていたが、何kg痩せたのか、やせ細っていた。
このままここで2人、餓死するのだろうか?
それなら体重測定の時、撃ち殺してくれればよかったのに__?
今のこの状況に、どんな意味があるの?
なにが狙いなの?
一体、なにが__?