それからどれくらい経っただろう?
2時間かもしれないし、2日かもしれない。
昼か夜かもわからない。
自分の指針が折れてなくなり、なにも頼りにする目安がないと、漠然と不安が押し寄せてくる。
これからどうなるのか?
1つ分かることは、このダイエット合宿は異常だということ。
人を人とも思わないような、軽んじられた命。
ゲームと称して、限界まで追い込んでいくやり口。
一体なにがしたいのか?
他の脱落者はどうしたのか?
殺された?
参加者全員が、殺されたのか?
「そんな馬鹿な__」と口にしてみるものの、一瞬だけ繋がった携帯の着信を思い出すと、薄ら寒くなる。
バスの転落事故。
きっと私たち参加者たちは、死んだことになっている。
そんな大それたこと不可能だという思いと、もしそれが可能なら、とんでもなく大きい【なにか】が後ろで動いていることになり、私にはキャパオーバーだ。
それより__。
真帆は大丈夫だろうか?
負けてしまえば、この牢屋にぶち込まれて何日も放置される。
それなら勝ってほしい。
勝ち抜いて生き抜いてほしい。
私は心から願った。
自分の窮地を案ずるよりも、真帆の心配をしていたほうが気が紛れるが__。
「だ、だめっ__いや、いや、いや‼︎」
思考が遮断される。
前田亜季の叫び声によって。