3kg差をつける?
でも、あの天秤の上で一体どうやって痩せるというんだ?
私が首を傾げている間に、2人は椅子に拘束された。
足首と腰を固定され、手だけが自由になる。
その2人の前に、机が運ばれてきた。
さらに__。
「3kg差は、痩せるってことじゃないのか」
小塚さんの言葉に、私も頷いた。
なぜなら、次から次へと【料理】が運ばれてきたからだ。
テーブルからこぼれ落ちそうなくらいで、それを目の前にした2人は、文字通り目を丸くしている。
【準備が整いました。それでは始めて下さい】
スタートしたものの、篠田さんも南アキも動かない。
どうしていいのか思案しているようだったが、もう答えは1つだ。
食べて太る。
そして3kg差をつける。
痩せるのではなく、太って3kg差をつける戦いだ。
「いっただきまぁーす‼︎」
大げさに両手を合わせ、声優のような声で宣戦布告するアキが、肉団子を頬張った。
負けじと篠田さんも、肉団子を口に放り込む。
それも3つ。
ナイフとフォークで綺麗に取り分けて「もぐもぐ」と食事するアキと、途中から手掴みで野獣のように喰らいつく篠田さん。
この時点で、勝負は目に見えている。
篠田さんが勝つに違いない‼︎