お互いに背中を合わせて必死で食い止めていたが、体が軋んで痛み出す。
全員がおかしな方向に体を捻じ曲げ、折り重なるようにして、ただ箱が小さくなっていくのを見ているしかなかった。
「ああぁぁぁー‼︎」
腹の奥底から叫び声を上げたのは、篠田さんだ。
私たちの中では、1番でかい。
しかも吉野さんを庇っているため、壁の圧力を真っ先に受けている。
つ、潰される⁉︎
骨が砕け、5人分の肉となるんだ。
血に染まり、私たちが1つの塊となる音が聞こえた。
「だ、誰か⁉︎」
私は叫んだ。
叫んだところでどうにもならないが、叫ばずにはいられなかったからだ。
肩を真上からプレスされているような痛みが、襲いくる。
誰もが身を守るように小さくなるが、それで壁が勘弁してくれるわけではない。
お互いが押しやられるように、手足をへし曲げ、首を項垂れ、1つとなる。
四角い塊となっていくんだ。
も、もう息をするのも苦しい‼︎
なぜか私の目の前に顔を突き出している、篠田さんの目玉が異様に飛び出していた。
その口から、乾いたうめき声が漏れる。
きっと、胃を潰されているんだ。
どんどん目玉が押し出されていく。