【体重当てゲーム】


半分が、バスから降りられない?


しかも、隣の座席の人と争う?


私は思わず、隣の亜紀を見ると、ちょうど亜紀も私を見たところだった。


視線と視線がぶつかり合う。


どっちかが合格で、どっちかが不合格ってこと?


さっきまでとは打って変わって、バスは静まり返っていた。


隣同士、お互いが顔を見合わせての静寂。


友達同士で連れ立って参加したデブはあまり居ない。


不安な気持ちを押し殺し、それでもやってきた。


目的はお金かもしれないが、大半が痩せることに重きを置いている体型だ。


言われるがままに座席に座り、バスが発車して、心細さも膨れ上がっていく。


そんな時、声を掛けてくれたのが隣の席だ。


声を掛けたほうかもしれないが、同じデブ同士で親近感もわく。


気遣いながらも話し相手ができたことを喜んだ参加者は多いはず。


私だってそうだ。


亜紀が隣じゃなかったら、お弁当の時点で不合格となっていた。


人当たりのいい亜紀の存在が心強かったのに、どっちかが落ちるなんて__。


そんな残酷なことがあっていいのか?


しかもどうやって勝敗を決めるの?


私の心の問いかけに、アナウンスが答えた。