もしクリアすれば、残りの枠は1つとなる。


けれどもし、クリアできなければ__また目の前であの惨劇を垣間見ることになる。


どっちがいいのか分からない。


「真帆ちゃん、真っ青だよ?大丈夫?」


小塚さんが心配してくれるが、返事をする気にもならない。


全員が、箱の中に入った。


条件を満たさないことには出られない、透明な箱に。


お互いが寄り添うように中央にかたまるDチーム。


きっと祈っていることだろう。


胸の高鳴りまで聞こえてくるようだった。


やがて、体重が表示される。


【Dチームの合計体重は__】


私も祈っていた。


どうか、クリアしますように。


どうか__。


【447kgです。9.2kgの減量。10kgに満たない為、失格。よって、ペナルティーが課せられます】


無情なアナウンスに、結果を見守っていた私たちは、一斉に後ずさった。


また、行われようとしている。


また、白い煙が__。


「た、助けてくれ‼︎」


箱の中から、Dチーム全員が助けを求めて壁を叩く。


その1人と目が合った。


泣き叫びながら、箱の中でのたうち回る。


どうすることもできず、かといって目をそらすこともできないまま、ペナルティーが執行されるのを待つしか__。


ただし、煙は出なかった。