それは、巨大な【体重計】だった。
まずは5人での合計体重を計ることになり、向かう。
5人合算ともなれば、特別な体重計でしか計れないのだろう。
台に登って見回すと、四方を透明な壁で囲まれていて8畳ほどの大きさだった。
それでも篠田さんが居るだけで、少し息苦しい。
「デブ、お前いったい何kg?」
篤志が呆れたように尋ねると、篠田さんは「ひっ‼︎」と顔を強張らせて、俯いてしまった。今にも泣きそうだ。
「別にいいじゃない‼︎」
「そんなに太ってりゃ、10kg減らすくらいわけないだろ?お前が1人で10kg痩せろよ」
「無茶いわないで‼︎みんなで協力しなきゃ」
「協力ねぇ」
相変わらず人を小馬鹿にする篤志をよそに、前方にある大きな液晶に、数字が映し出された。
【503kg】
【ここから10kgを痩せてもらいます。体重を計るタイミングはお任せします。10kg痩せたと感じた時点で計りにきて下さい。ただし、体重を計ることができるのは3度まで。チャンスは3回。もし、3度目に計っても10kg減っていない場合は即失格となり、重大なペナルティーが課せられますので、ご注意下さい】
チャンスは、3回。
ペナルティー?