「今日は……星がとっても綺麗……。」

そう言ってまた家を出る。

家を出た時には歩いていたけれど

何故かだんだん気持ちが焦ってきて
いつの間にか息が切れるほど全力で走っていた。

息が切れて

足がもたれて

口の中がカラカラでも

丘のてっぺんに行くまでは
絶対に、決して歩かない。

「はぁっ……はぁ……」

今日は……手が届くかも……っ。

そう思ってめいっぱい手を伸ばす。

届くはず……ないのに……。

いつから手を伸ばすようになったんだろう。