「わりい、玄関に財布忘れた。」
「お前さあ…人の家の玄関に普通財布置かないだろ。」
「いやー、この間借りてたお金返そうと思って財布出したら
ピン札しかなくて、今度にしようと思ってそのまま靴箱の上に置いたよね。」
「翔太は雑なんだよな…」
「知ってる。」


笑い合う二人。仲良しか。
二人の出会いについて思い出して、ある疑問をぶつける。


「え、お兄ちゃんが助けたって…お兄ちゃん喧嘩強いの?」
「そうそう!こいつまじ強えから!」
「…そんなこともないけど。」
「またまたぁ、謙遜しちゃって!」


…お兄ちゃんって喧嘩強いんだ。
…意外。


「うお、やっべえ!バイトバイト!じゃーな!」


時間を見て慌てて走り出す翔太くん。
彼は裏ってやつが無さそうだ。
さっきは苦手かなーなんて思ったけど、仲良くなれそうかも。

わたしは部屋に戻って、イラストを描く作業に再び取り掛かることにした。