「じゃあねー!凛兎ちゃん!またねー!」
全力で手を振って去って行く翔太くんに、軽く手を振り返す。
…あの元気はどこからやってくるんだ。
「あいつは…」
呆れ顔のお兄ちゃん。
「…ねえ、何でお兄ちゃんは翔太くんと友達になったの?
あんなチャラい人と一緒にいるイメージないんだけど。」
「凛兎って結構毒舌だよね。」
「ありがと。」
「いや、褒めてないし。」
玄関のドアに寄りかかって、お兄ちゃんが笑う。
…好きだなあ、お兄ちゃんの笑顔。
初めて出会った時の嬉しい気持ちを思い出す。
……え、好き?
…ないないない、やめてよ。わたし。
「あいつはさ、あんな派手な格好してるけどあれはただの趣味なんだよ。
別に悪いことが好きとか、そーゆうの全くなくて。
けど、目立つからヤンキーによく絡まれるわけだ。
高校の時にそーゆうことが何回かあったんだけど…」
「で、そん時に助けてくれたのが凛音くんでーす!」
「わっ、びっくりした!」
帰ったと思った翔太くん登場でびびるわたしとお兄ちゃん。