晴道が驚き、数歩後ずさりをしてきた。


あたしは無言で壁を見つめる。


映し出された映像にはあたしとアユの姿があった。


丁度刻印を押す時なのか、あたしの手には棒が持たれている。


けれどあの時見たような炎はなかった。


あたしはただの棒を持って、ゆっくりとアユに近づいていく。


あたしは棒の先端をアユへ向ける。


その、瞬間だった。


先端が形を変え、まるでノコギリのように変化したのだ。


「えっ……?」


映像の中のあたしは、何の躊躇もなくそれをアユの右腕に押し当てた。


アユの絶叫がこだまする。