お互いに好きなんだとなんとなく理解できてきたのは、中学に上がってからのことだった。


陽大はサッカーを続け、あたしも美術を続けた。


部活が終る時間は毎日同じだったから、なんとなく下駄箱で待ち合わせて一緒に帰るようになった。


夕焼けの中2人で歩いて帰る時間は、あたしにとってかけがえのない、幸せな時間だったのだ。


付き合うとか、好きとか。


そういう事を口にしたことは今までなかった。


単純に2人一緒にいて、手を繋ぐようになって、キスをするようになって。


とても自然な形で、あたしたちは一緒にいることが当たり前になったんだ。