「知らない! 俺はなにも知らないんだってば! なんで信じてくれないんだよ!」


陽大の悲鳴に涙声が滲んだ。


それを聞いて目の奥がジンッと熱くなる。


陽大と過ごした楽しい時間が、まるで走馬灯のようによみがえって来る。


あたしが陽大を好きになったのは小学校5年生の頃だった。


陽大は小学校のサッカークラブに所属していて、2階の美術室からその練習を見るのが好きだった。


大きなグラウンドで一生懸命走っている陽大を見て、あたしはいつしかその姿を追いかけるようになっていた。


美術クラブに入っていたあたしは、何度か陽大の姿を描かせてもらったこともある。