陽大は、あたしたちになにか隠している。


その復讐のために、これを用意したのだ。


それがなにかはわからない。


けれど、あたしはそうなのだと確信していた。


「俺じゃない! 俺は何もしてない!!」


陽大の悲鳴がどこか遠くから聞こえてきているように感じられてしまう。


「裏切者は梨花子じゃなくて、陽大だったのかも……」


そんなこと言いたくはなかった。


でも、きっとそうなのだ。


そしてあたしたちは間違えた選択をしてしまった。


「お願い陽大……ここから出して」


あたしは壁に手を当ててそう呟いた。