もし、このゲームをしかけた『犯人』がいるとすれば、それは陽大で間違いないだろう。


チケットを用意したのも、ここにみんなを誘ったのも、陽大だったんだから。


「犯人ってなんだよ……。どういう意味だ!」


陽大が声を荒げる。


明らかに動揺しているのがわかった。


あたしは泣きそうになるのを我慢して口を開いた。


「陽大が犯人なら、今すぐここから出して欲しい」


震える声でそう言う事しかできなかった。


「なに言ってんだよ結愛!?」


「だって……もう、それ以外に考えられないもん……」


リタイアもできないVRゲーム。


陽大の好きな音楽。


外せないゴーグル。


裏切者を探す部屋。


刻印を押した時の悲鳴。