飛び散る血しぶき。


バラバラになった肉片。


それらが自分の顔まで飛んで来て、ビチャビチャと音を立てた。


生ぬるい液体が頬にぶつかってもあたしは唖然としたまま目を閉じる事すらできずにいた。


鬼がゆっくりと腕を上げて金棒をどかす。


金棒の先端には血肉がこびりつき、少し動かすだけでそれらが床へと落下していった。


梨花子がいた場所には下腹部だけが残され、上半身はミキサーにかけられたように欠片した残っていなかった。


梨花子の残された半身はグラリとゆれて横倒しに倒れてしまった。


そこからまた血があふれ出して床を染めて行く。


その光景に我慢する暇もなく嘔吐していた。


体をくの字にまげて口元を押さえても、こみあげてくる胃物を我慢することができなかった。


手にヌルリとした気持ちの悪い胃液が絡み付く。


しかし、それは映像として現れることはなく、嘔吐物の不快な匂いも感じる事はなかった。


ここはまだVRの世界なのだ。