まぁ、そんなことがあって今、ここにいると思う。
始業式が終わり、部活の活動報告がされている。

いつも思うがこれは必要なのか?

やっと全て終わり、教室に帰れる。
「柚梨、帰るのか?」

「はい。碓井先生が来るって言ってました。
なのでここで待ちます」

「そうか」


そう言って先生は行ってしまった。

でも、自分では立てない。

柚梨の靴は特注だ。

靴底には金属の板が中にある。
つま先部分が曲がらないので、立てないのである。

壁まで張っていくのは、嫌だな。
どうしよう~
よし。先生が来るまで待ってよう。

「柚梨」

あ!先生が来た。

手を出してくれた。

「ありがとうございます。」

帰り道

「お母さんには連絡したか?」

「はい。しました」

「今日は、転校生が来るんだ。」

「そうなんですか。」

どんな子なんだろう?
女の子ならテンションの高い子じゃないといいけど・・・

「それが男なんだなー」


この先生のつぶやきは
考え込んでいた柚梨の耳には入らなかった。

そしてもう少しで柚梨は”あの男の子”と再会することになる。