「美心ーーっ」


ママの名前。


この人、ママのこと……


不意に唇が、迫り焦る私は目を瞑る。

バシッ


「いて、痛いよ悠くん」


「おい、セクハラすんな」


ああ、いらつくマジで。


一発じゃ足らねーし。


「母さんが見てる前だぞ」


俺はテーブルに飾られた写真を、指差した。


「ああ、ごめんな母さん」


写真の中の母さんは、もういない。