「触れて欲しい」

確かに聞こえた甘い甘い君の声。

「愛心、愛してるーー」



夜、普段なら腕枕をして眠る夜も


今日だけは特別で違った。


こんなに、暮れない夜があるだろうか。


愛しい君の髪に、耳に、唇にキスをする。


染まる赤。


「可愛い、愛心」


俺は君の柔らかな髪に触れた。


君の胸に触れれば増す音。


「力抜いてっ」


君と初めてのーー


「悠くんっ、好きっ」



本当に初めての夜が、過ぎていく。