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「早く諦めなよ。

もう立つのもしんどいでしょう」

「うるせー、俺は絶対にゆゆちゃんを渡したくない‼」


「じゃあ、決めさせて貰うわ」


構えた拳。


振りかざす木戸の腕。


「秋くん‼」


愛しい君が、俺を抱き締めた。



は?


迫る拳は止まらない。


「ゆゆ!!!」


君を庇うように、俺は抱き締めた。


「………っ、ゆゆバカ。

ケンカの最中だぞ、今。

なんで、、危ないだろうが」


ボロボロの俺の顔に出来た傷に、そっ、と触れるゆゆちゃん。


「良かった。

もう、闘わないで。

私は大丈夫だから。

闘うなら私また飛び込む自信あるよ!」

それは、スゲー困る。


「本当、バカだよゆゆちゃん。

だけど、ありがとうっ」

君に飛び込んで欲しくない。

また、危険をおかして欲しくない。


「ゆゆって呼ばれたの嬉しかった」


咄嗟に出た呼び捨てに、君は嬉しいと微笑む。


「ゆゆ………好きだ」


また、再度呼ばれた呼び捨てに、胸がきゅ、となる。