「愛心に触るな!!」


怒った顔の悠くんがいた。

「悠くんっ!?」


私を背に庇う悠くん。

「ちょっと、守ったんだよ俺。

あんたあの場に居れたの?
俺が守らなきゃどうなるか分かるでしょう?

本当とんだヤキモチ野郎だよね」

飽きれ顔の真中くん。


「違う、その後だよ。

助けたのは感謝する。

だけど必要以上に触る必要はない。


それだけだから、わかった?」


外野が、一瞬シーンとする。


「…………」



それだけ言って頭を撫でた悠くんは、グランドに戻ってく。



私は悠くんの後ろ姿を、見ていた。



その後ろの冷たい視線に気づかず。