よくよく話を聞いてわかったことは

・彼の名前は中川 海くん。

・絶対年上だと思った私の勘は外れ、まさかの同い年。

・私に似ている知り合いがいる。

ということ。



話し方とか内容とかが私と波長が合った。


話しているだけで楽しい。そう思えた


初めて会ったのに、色んな話をした。



中学のこと菜乃のこと、昨日から始まったドラマのこと。
他にもたくさん。



辺りも暗くなり始め

公園の時計を見ると6時をさしていた。



「もう帰らなきゃ」

今日は入学式祝いのご馳走が待っている



でも、この時間が終わると思うとどこか寂しい気持ちになった。


たまたま来た公園の桜の木の下で出会った気の合う男の子



それだけのはずなのにばいばいだと思うと心がチクっと痛んだ。





すると


「またここ来る?」
「おれに会いたくなったらこの桜の木の下な!」


と言うと私の返事も聞かず去っていった。


風の様だった

いきなり現れて、いきなり去っていく。