「…っあーいってなかったね!ごめんー瑛士だよー」
なんか知らないけど瑛士先輩は一瞬固まって焦ったように言った。
そんな風に感じただけかもしれない。
だけど、完全に木下先輩の顔は真っ赤になっていた。
なに??なによ??木下先輩なに???真っ赤にさせてる木下先輩かわいい!
けど急にこんなんなると動揺するんだけど???
なに??風邪なの???
ていうか、瑛士先輩は瑛士先輩って名前で呼んでるのに木下先輩は名字でっておかしくない??
私木下先輩の髪の毛が好きなんだよね?あれ?
「ていうか、君らまじかわだねー!性格も可愛いなんて!」
「瑛士先輩、名字はなんですか?」
ちょっと瑛士先輩の言葉にかぶりぎみに言うあやちゃんの声は落ち着いていて、私の好きな声であった。完。
私の代わりにそれを聞いてくれてありがとう!!工藤ちゃん!!
なんてふざけたことを脳内で考えていると、急に肩を叩かれる。
そっちを向くと、にこにこしていてまだ少し顔の赤い木下先輩が。
しかもちょっと上目遣い。かわいい。
振り向くと、どうやら指をセットしていたようで、木下先輩の指が私の頬にささる。
いや、ささってない。やさしく当たった。
とにかくそのにこにこ顔がかわいくて。っていうかそれ私の好きな髪の毛の話じゃなくない?あれ??
「おいーーそこいちゃついてんな!」
「瑛士うるせえ」
「やっぱり俺の扱いひどくね??」
「早く名字教えてくれません?呼び方に困ります」
「私あやちゃんのそういうクールなところ愛してるよ」
思ったことがつい口からでた。まあ、変な目で見られてもいいや。あやちゃんがフォローしてくれるのー
なぜならなんだかんだ言って優しくて私のことが好きだからー!
「きもちわるいわ」
「え、」
「千葉ちゃん、どんまい!でも俺と同じじゃん!」
え!一緒にされたくないです!
ていうか、、え…?名前?言ってないよね…??こわ…
冷めた顔で見つめる私。かっこいいかも。
「名前知ってたの!!千葉ちゃん達2人、有名だから!!!そんな変態を見る目で見ないで…」
「有名??木下先輩、そうなんですか?!瑛士先輩は信憑性がないです!」
「ひっどい…」
「そうだよー可愛い1年だって有名。」
なんでそんなデタラメ!と声に出そうとする瞬間、
「はやく名字」
という、あやちゃんのとてつもなく冷たい声が私たちの空間に響いた。
「はい、すみません…村上です…。」
「村上先輩、何度も言わせないでくれませんか?」
「すみません…」