「髪の毛がサラサラすぎる」
私がそんな先輩を初めて見たのは、体育祭全体練習初日。
入学して2ヶ月。高校初めての体育祭。
その全体練習初日で、並んだ時に隣になった。
私は赤組の1年で、先輩は青組の3年。
組は違うけど、全体練習で並んだときには隣になった。
名前は、先輩の友達が呼んでいたから分かった。
それに私が知らないだけで先輩は有名だったらしい。
木下太月先輩。
先輩は髪の毛がサラサラで、綺麗な茶色で。
とにかく、触りたくなるような髪の毛だった。
1度触ったら絶対にやみつきになっちゃうであろうあの髪の毛。
それに全てがくそ可愛い。
なんとなく目を引いたのはそれだけじゃなくて、
木下先輩は、とてもふざけている人だった。
全体練習で先生とかが話しているときも、騒いでた。
まあ、今どきちゃんと聞く人のが珍しいかもだけどね。
それに関してはどうなのかしらーってことだ。
それで目についたって感じ。
あと、何かとこちら側(赤組側)をチラチラ見ていた。
赤組側に彼女がいるの?って言うぐらい。
そしたら死ぬほど悲しい。恋が始まる前に終わってる、、
それともう1つ、気になることがあった。
「あっ、瑛士の妄想彼女じゃんー!
ま、絶対俺のほうがお前の彼女の事好きだぞ。
大体、お前の妄想だしー。お前の彼女じゃねーしーーー」
と、私達(工藤ちゃんと私、理亜)の方を見ながら言っていたこと。
とりあえず思ったことは瑛士って誰?まあ友達でしょうけどね。
なぜそれを完全に私たちの方を見て言うのか。
だけどそんなことはどうでもよかった。
もし私だったら嬉しいという気持ちと、髪の毛さらさらとしか考えてなかった。
もしかしたら私達の後ろに誰かいたのかもしれないんだけど、1分1秒先輩の髪の毛を見ていたかったから、後ろは向かなかった。
思えば、後ろを向けばよかったと思う。
だって、後ろ見てれば先輩の好みが分かったから。
時間戻らないかな…それか時間とまれ…
ま、私達の方を本当に見ていたとしても、可愛い工藤ちゃんのことだろうな。
この全体練習初日で印象に残ったのはこれだけ。