2人は人の波をかき分けていや、人の波が道を空けて歩いていく。

私はその後ろ姿をぼーっと見つめているだけだった。

帰りたい。朝からドッと疲れがくる。
けれど、私はいつものようにいつも通りに人の波と同じようにただただ無駄に広い建物に吸い寄せられるのだ。


教室へ入り
荷物を整理していると
後ろからトントンと肩を叩かれた。

「おはよ。真李」

クリーム色の艶やかな長い髪をなびかせすぐに自分の席へとついた。

今日もお綺麗でお嬢様。
いや、姉御の方がいいかな。

一時限目の準備をしてから姉御、いや、米田 由梨華 (よねだ ゆりか)の席へ向かう。