「おっはよー!」
頭をバーンと叩かれその存在に気づく。
朝からとてもハイテンションな声を聞いてうんざりする。
気だるそうに振り返れば1年間ずっと見てきた顔がある。
「チッ」
思わず舌打ちをしてしまう。
そろそろ慣れなくてはいけない。
この状況。
そう。いつものこと。いつものように。
「やめてください。小崎さん。」
「そんなこと言わないでよ〜小村さんっ」
はぁぁぁぁ。深いため息をつく。
私の思いとは他所にどこかニヤニヤとしながら茶髪クソ男は私の隣を歩く。
そう。この茶髪クソ男又は小崎 悠(こさき ゆう)は私の高校生活を唯一脅かす存在だ。
「悠。やめろよ。」
後ろからけだるそうに後を追う黒髪こと篠崎 新(しのざき あらた)を睨む。
管理しろとあれほど言ったのにこの男は。
帰ったら覚えてろ。
表情を崩さず黒髪に挨拶をする。
「篠崎さん。おはようございます。」
私の朝はいつも決まっている。