***Side
「なぁ幸喜〜今日何時から集会?」
甘ったるい声を出しながら筑波幸喜(つくばこうき)に声をかける宮尾遼太(みやお りょうた)にチラリと目線を向けまた窓の外へと視線を戻す。
「先代が来るらしいから19時だよ。」
そう言葉を背に今日もまた2つの背を見つめる。
「まだ、わからないの?あの子」
横から田代薫(たしろ かおる)が俺に対して声をかける。
ずっと見つめたまま応える。
「あぁ、出てこない。」
「珍しいね。曜が手こずるなんて」
あぁと返し席を立つ。
「どこ行くの。」
「姫の迎え」
「今日からだったっけ。19時には戻って」
「あぁ。」
俺は教室を後にする。