耐えきれずに重いため息を吐くと椅子から立ち上がり、頭を全力
で頭突きをして倒れ込む兄を冷めた目で見つめた。
「分かったから、早く次の授業の準備してきたらどうだ」
と言い捨てると僕が足で兄のお尻を軽く蹴り
「そんな、君も可愛い。七海ちゃん、痛かったけど…これが愛なんだね…放課後ちゃんと来るんだよぉぉ~」
「馬鹿兄…僕が変な目で見られるのは不愉快だっ」
(教師なのだから、下の名前で呼ぶなよ…)
兄が去っていくのを見届けると周りからは楽しげな笑い声が聞こ
えてくる、勿論3年間のうちに流石に周りからも兄弟ということ
がバレているため、今では兄妹喧嘩の様に見られている。
そんな日常ももう終わるのかと何処か寂しくなる自分がいた。