「あれは…?」

屋上に降り立つと、男性は空を見上げて言った。
空には強い輝きを放つサイクルの光が、オーロラのように揺れていた。

「あれが、あなた方の還る場所です」

私の声は聴こえていないようだった。それほどまでに、彼は光に目を奪われていたのだろう。
そして、やがて絞り出すような声で言った。

「ああ、わかる……。とても懐かしい感じがするよ…」

ーーみんな、"あれ"を見ると同じことを言う。
初めはどんなに