そんな中だった。

あいつが現れたのは。

「なぁ!!シャーペンかして!!!」

それだけだった。

たった、その一言から始まった。

俺は戸惑った。

正直、学校でクラスメイトから、
話しかけられるのは、

席替えの時と、行事の時だけ。

「ォ…ぉう」

上手に発音ができなかった。

声が変だった。

でも、良いんだ。

その場限りなのだ。