「そんなことはどうでもいい! 咲桜以来の黄金比率ですから絶対逃しませんよ。実は先生には以前から目をつけていましたからね」


「………」
 

怖い。
 

頼は懐からカメラを取り出した。一眼レフだった。


どこに隠してたんだ。


「さあ先生! ――いや咲桜、普段は先生をどう呼んでいるんだ?」


「え、流夜くん……?」


「マジか! じゃあ流夜くん感を出さないと……」
 

どんな感だ、それは。
 

ぐいぐい迫ってくる日義は、こいつってこんなにアクティブだったか? と信じられないほどテンションが高い。


「さ、咲桜? な、んなんだこれは……? 遙音といい、ここの首席は変わったのばかりなのか?」
 

最早、教師のツラをする余裕がない。
 

正直、目の前の生徒から身の危険を感じる。


「はるおと――? 夏島先輩のことですか? 先生、夏島先輩とも知り合いなんですかならば是非紹介してください! この前笑満が連れて来かけたんですけどなんか逃げられたんで――先輩のこともなかなかの逸材と思っていたところですっ」