「なんで外にいるの!」


「え……」
 

店の外で待っていたら怒られた。
 

龍さんのカフェは、警察署のすぐ近くにある。


咲桜の家より署からの方が近いので、俺は咲桜が言った時間より大分先に店先にいた。


咲桜も十分も早く来た。


今日は咲桜のクラスの授業がなかったから、昨日の夕方華取の家で別れて以来だ。


まだ一日しか経っていないのに、どれだけ逢いたかったのだろう――。


「ごめん! 出直す!」
 

宣言して、くるりと踵を返した咲桜。


な、なぜ⁉


「おい、咲桜どうしたんだよお前――」


「ごめん、やっぱり電話にする! 逢いたかったけどダメだった!」


「はっ? なに言ってんだ咲桜――」


「店の前で騒ぐなガキ共」