腕が伸びて、咲桜の両頬を捉えた。


『ありがとう。いいんだよ、それで。俺も同じだから』


『……ほんとう? あたってる? 間違ってない?』


『あたってるよ。俺も、同じことを思った。咲桜を幸せにする場所は、誰にもやりたくないって。それと俺は、咲桜とずっと一緒にいたいって思ってる。これは……どうだろう?』
 

問うと、咲桜は考えるように間をとった。


『……ある。流夜くんと一緒にいるの、すきだし、ずっと続いたらいいなって、思った』


『なら、いいんだ。俺は咲桜とずっと一緒にいたい。高校を卒業して、愛子の敷いた偽婚約が意味をなくしても』


『うん……一緒にいる。それが、恋人なのかな?』