『これが現実だよ! 現実で、私は流夜くんがすきなの! 嘘じゃないし夢でも幻でもないし、キスだってしたかったらしていいから! ……期待、してよ』
 

最後はすねるような声だった。
 

え………………………………………現実、なのか?
 

すいと、咲桜の右手が俺の頬に触れた。


そして手を触れさせた辺りに唇を寄せてきた。


『!』
 

驚いて肩を震わせる。


咲桜はそのまま、顔を近くに置いて言葉する。


『さっき、ね、一つだけ、わかったことがあるの』


『……それを、訊いても?』
 

咲桜は軽く頭を上下させた。


『流夜くんは、私が幸せにしたい、って思った。……これで、合ってる、かな?』
 

――――。


『……お前は本当にかっこいいな』