俺は、そういう障害――生徒と教師という関係が終わるまでは、付き合うという行動に移す気はなかった。


彼氏が出来ることは、ゆるすつもりはなかったけど。
 

それでも、咲桜に一番近い位置を譲りたくなくて、一足飛びに告白してしまった。


返事は、卒業までにもらえればいい方だと、長い目で見ていくつもりだった。


それが今、目の前で咲桜に返事をもらった。


しかも、それを受け容れる、俺の存在を是(ぜ)とする返事だった。


『咲桜、殴ってくれ』


『だからなんでっ⁉』


『絶対これ俺に都合のいい夢だから。期待しないうちに現実にかえしてくれ』