ーーー それからまた無言の中でテーブルを囲んだ。 だけどその無言は嫌な感じじゃなかった。 ムズムズとしてソワソワして、何か新しいことが始まる時のような、そんな時間が過ぎた。 「あの、ご馳走様でした」 「いいえ。良ければまたいつでも来てくれ。 こら翔!何先に帰ろうとしてんだよ? もう日も落ちて来たしちゃんと莉花のこと送ってやれ。 こいつってば不審者に遭遇しても大声の一つも出せないんだから」