ただ……、二人ともまだ子供で、お互いに距離の置き方を大袈裟にし過ぎてしまっただけなのだ。


「私は……」
「俺は!」


だってほら、いまの重なった声がそれを物語っている。

嬉しくなってヌイを盗み見ると、彼はいままで見せたことのないくらい目元を細めて微笑んでいた。