私、乃南芽依が彼に出逢ったのは中学3年の夏だった。


高校受験で勉強漬けの日々。


私はもともと話すことがだいすきだ。勉強することに飽きた私は、あるトークアプリをインストールした。




ある日私は、寝落ちしたくていつも通りに



「眠い。寝落ちしてくれる人ー!」




と投稿した。しかし、誰とも寝落ちすることはなかった。



朝起きて、スマホ画面を見ると、ある人から



「寝るの?寝落ちしたーい!」



と来ていた。こんな文章が送られて来ることは普通だし、なんとも思ってなくて、



「ごめんね…寝ちゃった」



と返した。しかし、相手の人から、



「マジで寂しかった。今日は話したい!!」



って返ってきて、驚いた。まだ一度も話したことない相手なのにと思った。でも、嬉しかったし、



「そだね!あ、でも、塾あるしまだ分からないや…」



と返した。すると、



「大丈夫だよ!話したいし!」



と返ってきた。
私は塾で帰りが遅い。相手もバイトをしているから遅い。



「待ってるから大丈夫だよ!」

「話せないん?バイト終わったよ!」



って、連絡くれて、



「話せるよ!」



って返すと、



「わかった!待ってるね!」



って。




「はよ声聞きたい!待てない。寂しい。とか言っとく笑」



って。



なんか、彼氏と話してるような気分だった。





とは言っても、私も受験生。毎日忙しいし、疲れて寝ちゃうことも多い。
でも相手の人は、



「お疲れ様!」



って言ってくれる。



相手の人のことを、初めは「先輩」と呼んでいた。




これから起こることを、私はまだ知らなかった。




私の人生を変えてくれた人。
中崎優樹くん。当時、専門学生の2年生。美容師を目指して頑張っている。