彼方先輩の教室は
お兄ちゃんと玲音先輩と同じらしく
今までならワクワクして入っていた
この3年生の教室も
今は足を踏み入れたくない。
さっきから、教室を出る先輩達に
不思議そうな顔で見られているのも
嫌だが、入る勇気もない
どうしよう。
そう思って居ると
『……ゆう?』
私の好きな声が聞こえてきた。
『どうしたん?悠介にでも用事?』
『俺ー?どうした、夕姫』
何て言おう……。
このふたりは私と彼方先輩の関係なんて
知るはずもない。
『あの、えっと……』
『遅ぇよ』
私が何を言おうか迷っていると
彼方先輩がそう言った。
勿論、その言葉を2人は聞いていて
混乱しているみたいだった。
『彼方とゆう、知り合い?』
『まあな。』
その事をしった玲音先輩が
私にとって救いの誘いをしてくれた。
『じゃあ、4人でこれから
パンケーキ屋さんに行かへん?』
今、悠介たちと行こうって言ってたんよー
と最高に美しい笑顔で。
断る訳ない。そう思って
行きますと言おうとしたその時、
『あー、俺とコイツは
これから用事あるから。今日はパス』
彼方先輩がしっかり私の分も
断りを入れてしまった。
『えー、そうなん?悠介と2人は嫌やから、
今度4人で行こうな』
いや、私行きたいです。今すぐ!
彼方先輩と二人きりは私も嫌です!
そんな事を彼方先輩の前で言える訳もなく
『また、明日ー』
と言って玲音先輩とお兄ちゃんは
先に帰ってしまった。