『はぁー』


『どうしたの?夕姫』



そう言って未羽が私の顔を覗き込む



『元気無いねぇ。』



秋くんも同じように私を覗き込む


放課後、自分の席から


動けないでいた私に秋くんと未羽は


声をかけてくれた。




『なんか悩んでるの?』


『雨だから?』


『それともこの間言ってた

好きな人の話〜?』




雨だからでも


玲音先輩についてでもない。



私が憂鬱なのは




もちろん、あの先輩




彼方先輩の事だ。




6時間目の授業中に

こんなLINEが来た。



“授業終わったら、教室に来い”



たった1行だけど


私の気持ちは


その1行じゃ収まりきらないくらい


憂鬱だった。



『出来ることなら、逃げたい……』

『本当にどうしたのー?』

という未羽と秋くんに

何て返事を返そうか迷っていると



ピコン



“逃げんなよ、早く来い”


彼方先輩から脅しのような連絡が来た。


もう、腹を括って行くしかない


まだ不思議そうにしている2人に


適当に理由をつけ別れ


私は彼方先輩の教室に行くことにした。