藍「ええと、あのその、そ、束縛が強い奏汰から逃げてたの。蓮に告白されたところを録音されちゃって、逃げるとばらすって言われてたけど、やっぱりばらされてもいいから逃げようって。できるだけ遠くに行こうかなと思ってここに来たの」

海斗「ふーん。行くあてあんの?」

私は思わず困惑した。

藍「え?」

海斗「だから、逃げた訳でしょ?この町の中で行くあてあるのって事。」

ようやく意味が分かった。もちろん無いので素直に言おう。

藍「ないに決まってるじゃん」

海斗「なら、俺の家に泊まってけば?親居ないし泊まり放題だぞ。」

藍「けど、迷惑かかっちゃうじゃん。」

海斗「俺は迷惑かけてないつもりだけど?俺がいいって言ってるんだからいいに決まってるだろ。」

なんて、優しい言葉なのだろう。私思わず、うんと言った。

海斗「じゃあ行くか。」

行ってみると、驚いた。

藍「え〜〜!?!?親居ないのにこんなに豪邸なの!?」

海斗「親が死ぬ前に遺産を貰ったんだよ。1億ぐらいな。」

そんなに貰えないはず…

藍「そんなに貰えないと思うけど…」

海斗「貰えてるから言ってんだよ。」

藍「あ、そうなのね。」

終わり