「次は俺達だな。俺は福田 雅だ。これからよろしく頼む」
「ええ。よろしくお願いしますね」
「敬語は無しだ。タメ口でいい」
この人が総長の福田さん。ネクタイの色は赤色だから、2年だ。
表情もあまり出ず不器用な人だけど、総長だからと威張らないので尊敬されている。
「俺は柊 司。高2だけど、雅と同じくタメ口でいいから。よろしくね」
柊くんは、私のい、許嫁の人で、スポーツマンかと思うほど爽やか。
「次は俺ね~。山崎 梅って言うの~。ちゃんと覚えてくんねぇとチュウしちゃうからな。あ、俺は幹部、副総長の次に偉いのよお。よろしくねえ」
(なんか変なことを言っていた気もするけど、)のんびりとした口調で聞き取りやすい。
チャラいなと思わせる発言もあるけど、幹部という言葉を私達に分かりやすいように言い直すなどと、中々面倒見がいいのである。
「あぁ、僕の番?僕は西園寺 亜希。ってか、俺達の名前も分かんないの?ちょっと時代遅れだよ、ねぇ」
うう、心に刺さります。
皆さんお察しの通り、西園寺くんは毒舌です。ネクタイの色は青と同じ学年だからというのもあって、遠慮なく言ってくる。けど、本音しか言わないため、絶対に嘘はつかないみたい。でも私はちょっぴり苦手。
「フハハハ。この秀才、天才、皐月様がオオトリだぜ!!俺様は内谷 皐月!!よろしくなんか、言わねぇぜ!!」
……寒いなあ。
言葉から滲んじゃってるよ、お馬鹿オーラが。
それに、名乗ったくせによろしくは言わないって、少しちぐはぐしてると思う。