「あ……、うん。ごめんねえ、ミサちゃん。にしてもお前さん、随分したたかな女性だねえ」
山崎くんはへらりと弱く笑った。
「したたかだなんて……。褒め言葉として貰っておくわ」
な、何かふたりの間に火花が飛び散ってる?
「ねえ、俺らの自己紹介………させて?」
じっ、時空くん…!!よく言ったよ!今のKY……じゃなくて場の雰囲気を変えてくれるような発言、ありがとう!!
「そうね。時間をとってしまって申し訳ないわ」
「私は 小野 桜(オノサクラ)。萌花ちゃんがいくら可愛いからって、狼になって襲わないでねえ」
にこにこと笑っている桜ちゃん。
やっぱり桜ちゃんは、ほわほわしてるよなあ。
「俺は、千畑 葵(チバタアオイ)!!お前ら何かに萌花は渡さねぇから……い″っ!!」
葵くんが言い終わる前にミサちゃんが葵くんの足を思い切り踏んだ。よほど痛かったかのか、葵くんの目には若干涙がたまっていた。
「俺は……、時空(ジク)。………よろしく」
うん、時空くんは通常運転ダネ。