いじけそうになった葵をなんとか宥める。ごめんね、からかいすぎちゃったわ。
「″KING″っつうのはさっきも言ったけど、此処等一帯を占める暴走族のことで」
「……へえ」
「おい時空!お前が聞いてきたくせに興味なさそうにすんな!!」
時空はあくびをひとつして、げんなりした顔で葵を見つめた。
「ったく、次いくからな。で、そいつらの大半がこの学校の生徒なわけ」
「はいはーい」
先生と生徒のように、手を挙げる桜。
「なんだよ」
「だからってそんなに有名になるもんなのー?」
「いや、それだけじゃねえと思う。なんたってあいつらめっちゃイケメンなんだぜ?悔しいけど俺と並ぶくらいにはな」
やれやれといったように肩をあげる葵。え?
「はいはーい」
またもや桜が手をあげた。
「なんだよ」
「葵くんってそんなにかっこいいっけ?葵くんと同じくらいなら普通の顔なんじゃないかなっ??」
首をかしげながら、葵にダメージ(精神的)を食らわせる桜。葵は胸を押さえて倒れた。
ちなみに時空はあたしの隣で寝ている。毒気のない寝顔に頬を緩める。
「でも、なぜ萌花はその暴走族の姫に?」
萌花が姫になる意味が分からない。
「それがなんかねっ、私の許嫁なんだって、柊くん。あっ、柊くんっていうのはKINGの副総長の人で、ちょっと俺たち試しに付き合ってみない?って言われたの。それで____…」
ガンッ!!!!!!