「あ、そういえば私、″KING″の姫になったよー」


「あら、よかったじゃない」


「いやいや、そんな軽いノリで言うことじゃねーよ!萌花もミサも!!」




あたしと萌花(モエカ)は顔を見合わせた。これって重大事項なのかしら?
首を傾げていると、葵(アオイ)は一つため息をついた。なによ失礼ね。




「KINGっつったら、この学校の誰もが知ってる暴走族だぞ?」



「………僕、知らない」

「んー、私もよくわかんなーい」


時空(ジク)と桜(サクラ)も知らないようだ。本当に有名なのだろうかとみんなで疑いの目を葵に向けると、葵は若干涙目になりながら訴えた。



「俺の言ってること正しいからな!!お前らが例外なだけで、他の奴らは全員知ってるから!!」

「で、そのKINGって何?」

「おい聞けよ!」



葵の言葉を遮るよう時空(ジク)がたずねた。