とにかく、
早く由夏に会ってこの事実を確かめたい。
嘘だよって………言ってほしい。
でも、心の何処かで諦めている自分がいて。
由夏は自分の信念を貫くタイプだから。
答えは分かりきっていた。
この事実をなかった事にできたら
どれだけいいか・・・・・
俺はそんな事を思いながら、
必死に階段を降りる。
そして、次の瞬間。
鈴と鉢合わせた。
スレ違う時…
彼女の肩と俺の肩が当たり。
俺の手から滑り落ちるようにして
落下したメモリーカード。
パキ。
メモリーカードは壊れた。
一瞬、言葉が出なくて。
俺は考えた。
これで、
メモリーカードに記録された
由夏のメッセージを
聞かなかった事にできるんじゃないか?
これで、
突きつけられた事実が
消えるなら
俺はどんな嘘でもつく。
今思えば、なんてバカな考え。