━貴也目線━
これが、真実。
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携帯を握りしめ、
壁に背をつけて
ベッドに座りながら
想う―――
━━━自分でも、この状況は限界だったんだなって。
実は・・・
遠く離れた彼女、由夏から、
別れを切り出されたのは、今年の春。
ICレコーダーのメモリーカードに、
その言葉は吹き込まれていた。
【質問です…あなたが愛している人は誰ですか―――?
━━━正解―――…なんてね。
貴也さん…あのね?
言いたい事があるの。
私、寂しい…………
ずっと寂しかった…
それに、貴也さんには…
幸せになってほしくてね……?
今の状態は………
貴也さんを苦しめるだけだと思うの………
だから…私達…
もう…終わりに…したいの…
ってのが私の気持ち。
貴也さんコレ聞いてくれたかな…
聞いてなかったら、
その時は━━━━】
ここで由夏の声は途切れ。
震えた、今にも消えそうな彼女の声に
俺は後悔した・・・・
どうして、
もっと早く由夏に会いに行って、
気持ちをつなぎ止めておけなかったんだろう―――
俺は人生で始めての失恋をした。
過去に戻ってやり直せたらどれだけいいだろう・・・・・