『…ああ。』




俺の好きな人はアナタですが。

気付いてないんですか?


━━━気付くワケ、ないか。


南からの生暖かい風で、
由夏の髪がカーテンと共に
舞い上がる。



『だったら。
頭撫でたりさ…
私と妙に距離が近かったりするの
…ヤメテよ。』


『………うん。』


『どーせ、いつものように
私の事面白がって
からかっているだけなんでしょう?』



もう、ダメだ。

ちゃんとこのキモチに向き合わないとな。



俺はそっと由夏の真後ろに近づいた。


俺の気配に気付いた彼女は


勢いよく振り返りながら言った。

『だから………そういうのが………!』