メスのシマウマは彼に近付いてみる。
そして遠慮がちにこう言った。

「ママは他のお部屋にいるわ。」
「……どのくらい生きてるの?」
「パパより長かったと思う。」

そう言うとゼブラは悲しい顔をして
潤んだ瞳を空に向けた。

「僕のパパはね、一緒に捕まった。」
「私と一緒ね。」
「もう、いないけどね。」

そう言って干草を頬張ると
ゼブラは眠ってしまった。

「…………ゼブラ?」

ゼブラは悲しい顔をして眠った。
長い長い眠りについた。