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「敷き詰めたリンゴの上にタルト生地を被せて、更に卵白を塗ってあげると食感が良くなるのよ」

「へえー……」


手際良く作られていくタルト・タタンを前に、私は感嘆のため息を吐く他なかった。

女王陛下がタルト・タタンを作るのを見ながら、隣で同じように作っていたけれど、彼女のように腕の良いパティシエが作ったような出来にはならなそうだ。

きっちりと被せられて綺麗に円形になったタルト生地と、指の跡が残り少し歪になっているタルト生地を見比べて、私は苦笑いをした。


「初めてなのにとっても上手ね」


私の考えてることを見透かしているように、女王陛下はオーブンを開けながら、フォローの言葉を口にした。

パチパチ、と火のついた薪が音を鳴らす。